CURTIS珈琲館アトレ竹芝店

珈琲館アトレ竹芝店

埠頭の珈琲館から、50年目の出航を告げる一杯を

新橋からゆりかもめに揺られて数分。旧芝離宮と浜離宮、眼下に2つの緑の島を見下ろし、正に空に届く、というその前に高架になっている竹芝の駅に着く。階段を降り、かすかな潮の香りを頼りに、埠頭の先へ。右手には竹芝桟橋が見える。小笠原や伊豆に向かう客船のターミナル。今は再開発により、公園と一体化した麗しきプロムナードに生まれかわっているけれど、コロナの影響もあり、停泊している船の姿はあまり見えない。ただ、東海汽船のタラップがいくつか埠頭に佇み、夕日に照らされながら、無人の湾に、出航の願いをかけているようだ。
埠頭の先端にアトレができたという。「アトレといえばJRの駅ビル」だけれど、新しいアトレは、全く違う趣き。劇団四季の劇場があり、日本初のダイアログミュージアムがあり、デジタル技術を駆使した最新の体験型ショップがある。子供たちのための大自然をテーマとしたエンターテイメント施設もある。キャッチコピーは「わからないって、好奇心」だが、まさになんとなくときめく空間だ。そして、珈琲館がある。1970年創業以来50年、現在全国に240店舗を展開しているそうだ。なにしろ、もう30年以上、お世話になっている。まだあまり本格的な珈琲を楽しむのが難しかった時代、いろいろな町に珈琲館ができるたびに、その喜びは増えていった。高校生の時に友人と飲んだ一杯、大学生になって彼女と飲んだ一杯、働くようになって、仕事をサボって飲んだ一杯。たくさんの大切な時間を、珈琲館の珈琲とともに思い出すことができる。

ホットケーキは幸福のエンブレム

アトレ竹芝の珈琲館。はじめてきたけれど、やはりとても素敵な空間だった。エントランスには見慣れた珈琲館のロゴと、炭火珈琲の香りが漂っている。天井が高く、広々として、いろいろな人が思い思いにくつろいだり、勉強したり、仕事をしたりできるように、丁寧にレイアウトされている。品の良い内装は、それほど主張するわけではないのに、最先端のビルのデザインにとても馴染んでいる。
カウンター席に腰掛け、珈琲とホットケーキを頼んだ。珈琲館といえばなんといってもホットケーキだ。一杯といわず、2杯ぐらい飲みながら、食べている。ホットケーキを焼く店長の手元に思わず見とれてしまう。
「両面を順番に、丁寧に、そのあと縁を回すように焼きます。焼き方とか作り方とかはずっと変わりません。とにかく手作りというところにこだわっていますね。
12ミリの銅板で、一定の温度で焼きます。熱が均一に通ることが大切だからです。銅板を磨くのを怠っていたりとか、油の引く量であったり、結構表面が油の量で汚くなったりするので、そこは結構コツがいりますね。」
やはり、本当のおいしさは、本物のこだわりからしか生まれないのだ。

変わるもの 変わらないもの。一杯のコーヒーに心をこめて。

珈琲館といえば炭火珈琲をイメージする人も多いはずだ。なにしろ、あの時代に体験しはじめてのコク、喉に吸い込まれていく心地よい苦味。ハンドドリップが進むにつれ、徐々に深みをます香りを待つのは至福の時間だった。
炭火珈琲はもちろん、最初につくった珈琲館ブレンドも味を変えずに、配合を変えずに私たちの味を守り続けています。今回は席数も多く、フードも充実しているので、オペレーションのクオリティを考えて、このセラフィムというドリップマシンを使うことにしました。コーヒーが好きな方はわかると思うのですが、私たちが、ハンドドリップやサイフォンで淹れているものにできる限り近い味がセッティングされていて、その再現性が素晴らしい。何よりも、コーヒーの味は優先すべきものですからね。
アトレ竹芝店は、50周年を迎えた珈琲館が、さらに50年続けて行くための旗艦店に位置付けられているという。「新たな50年のために、変わらないものと変わっていくものを体現していきたいなと思っています。セラフィムもその一部といえるかもしれません。メニューでも愛されているメニューを守り続けるだけでなく、新しいメニューへのチャレンジも続けていますし、テイクアウトも広げていきたい。そして、何より、我々も珈琲館のポリシーである、「一杯のコーヒーに心を込めて」を体現できるようなお店にしていきたいなと思っています。」
あの日、竹芝埠頭から海へ、無限の夢を連れた航跡と同じように、珈琲館の次の50年は、扉の向こうの海を目指している。一杯のコーヒーに心をこめて。

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カーチス セラフィム Curtis Seraphim

1941年アメリカで創業以来、業務用マシンで世界を代表するメーカーカーチスが開発。
最先端の技術を駆使し、バリスタのハンドドリップを再現。新しいコーヒータイムを演出する次世代のコーヒーマシン。コーヒーマシン内ウォーターヒーティングユニットはカウンター下に配置し、お客さまの近くで抽出しながらの対話が可能に。

Infomation

東京都港区海岸1-10-30
TEL:03-5422-1505
営業時間:平日08:00-22:00 土日祝10:00-22:00
定休日:※アトレ竹芝に準ずる

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