ロックシンガー

ダイアモンド☆ユカイ

音楽とコーヒーが、この生き方をくれた

ロックシンガーのみならず、俳優、タレントなど、幅広く活躍されているユカイさん。ブログでは「全日本コーヒー豆(党)総菜(総裁)」、「スウィーツ研究部長」などユニークな肩書きを名乗り、好きなものをとことん極めるライフスタイルを楽しんでいらっしゃいます。中でもコーヒーへの情熱は並々ならぬものが…そんなユカイさんに、コーヒー・ストーリーを語っていただきました。


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中1で覚えたビートルズとコーヒーの味

中学くらいになると自分の部屋に籠るようになるじゃない。その頃かな、友達がコーヒーのうまさを教えてくれて。もちろんインスタントだったけど、はじめてカフェインと出会って、なんかひとつ、大人への扉を開けたような衝撃があったね。そのうち自分の部屋で、深夜ラジオを流しながらコーヒーを飲んで勉強をするっていうのが習慣になってさ。あの時間っていうのはなんだか良かったなぁ……実はその頃にもう一つ衝撃的な出会いがあって、それがThe Beatlesの音楽。それまでは体育系でさ、野球部だった。でも怪我が原因で部活を辞めて、その頃に友達が家にごそっと持ってきてくれたんだけれど、当時全盛だったQueenやKISSなんかに混じってThe Beatlesがあった。そこから、もうビートルズ一色。そのうち、だんだん自分で曲作ったりしたくなってね。音楽にどんどんのめり込んでいくきっかけだし、自分のマインドを含めて、今までの体育系の生活スタイルから一変させるようなインパクトだったね。

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学生服で飲んだ至福の一杯

杉並の高校に通う頃にはバンドも組んでいて、そのバンド友達がまた、ロックバンドに詳しくてギターが巧くてさ。「ロックってのはブルースなんだよ」って学校帰りにそいつの部屋で延々と音楽の話をしたね。そいつの家は、ボロボロなんだけどアーティスティックな雰囲気で、部屋がロフトになっていて、サイフォンがあってさ。学校の帰り道に学生服のままで、そいつの部屋でそいつの講義を聴きながらサイフォンで淹れてくれたコーヒーを飲んだ。あれは至福の時間だったな……本物のコーヒーと出会った瞬間だった。そこからどんどん、生き方を含めてロックとコーヒーにハマっていって、喫茶店にも通うになったね。時には授業を抜け出して、喫茶店でコーヒー片手に仲間と音楽の話をした(笑)。

カプチーノからブラックへ原点回帰

次のコーヒー革命が起きたのは、RED WARRIORSとしてプロデビューして間もなくの頃。ハリウッド映画で主演した時に、何ヶ月かロケが続くのだけれど、その時、共演したアメリカの女優がさ、ものすごいカプチーノ・クレイジーだった。でも当時の日本にはまだ喫茶店にもカプチーノが無かった時代、苦労してカプチーノマシンを探して買って撮影所に置いたんだ。それで、その女優と監督と俺で毎日飲んでいたら、100万円くらいの経費になっちゃって(笑)。その後もマシンを家用、楽屋用、ホテル用と3台買って、ツアー中も飲んでいたくらいだったけど、世間で普通に飲めるようになってきたら熱も冷めてきちゃってね。その頃に、とある喫茶店でネル・ドリップのブラックを飲んだんだよ。「あ、うまい」って思った。その時こんなコーヒーを自分で淹れるにはどうすればいいんだろうって考えはじめた。

コーヒーは焙煎で決まる?

この頃からだね、コーヒーについて研究し出したのって。コーヒー通のやつとか、仲良くなった喫茶店のマスターとか、あらゆるところから情報を集めて、色んな淹れ方や豆にこだわっていくうちに、「コーヒーのうまさは焙煎にあるんだ」ってところに行き着いて。だから親しいマスターに頼んで焙煎までやらしてもらった。さすがに焙煎機までは買わなかったけど、どうすればおいしいコーヒーが飲めるのかってことを絶えず考えていたから、良い焙煎士の情報があれば片っ端から豆を取り寄せたりしたね。その頃、京都でまた運命のコーヒーに出会ったんだ。その道で50年近くやってるおじさんの店で、そこで飲んだブレンドにびっくりしちゃって。味が立体的というか、それぞれの豆の風味が溢れ出してくる。その店は豆の配合にとことんこだわっていて、ブレンドには豆のバランスが大事だなって気づかされた。

人の手はブレる、JURAはブレない

そのうち豆だけじゃなくて、水まで取り寄せて研究した。妻にウザい目で見られながらね(笑)。妻とはコーヒーの好みが違って、俺好みの濃いのを淹れて出すとお湯を足されるんだよね……。その妻があるときコーヒーマシンを買ってきて、それで淹れたのを知らずに飲んだら、めちゃくちゃうまかった。後でコーヒーマシンだと知って、負けたと思った。色々こだわってきた俺の腕よりも、機械の方が上だったのかと思ってショックだった。確かに、人間が入れるとどうしたってムラも出るしね。そこでやっぱりコーヒーは、バランスなんだと気づいた。豆とか配合とかはもちろんだけど、すべての行程におけるバランス(笑)。だったら、マシンの方がもしかしたらいいんじゃないかって思って、最終的にこれ(JURA)に落ち着いた。

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このマシンは、パーフェクト

このマシン、本当によく作られているよね。好きな豆で淹れられるし、ボタンを押すだけで飲める。美味しい。デザインも良いし、本当にパーフェクト。俺はネルで淹れるコーヒーが好きだけど、手入れがめんどくさい。でもこれなら豆を自分で挽く手間がないし、淹れた後も全然汚れないし、何杯でもすぐ淹れられる。年齢を重ねるにつれて、夜にコーヒーを飲むと眠れなくなってきてさ。それで最近は夜は飲まないようにしている。だから余計に、おいしいコーヒーを飲むってことに対して貪欲になっちゃって……自分の思う本当においしいコーヒーをね。そうすると、器にも自然とこだわってきて、今は益子焼が多いかな。中でも、娘が陶芸教室で作ってきてくれたカップが一番のお気に入り。そういう器とか、空間とか、時間とかも、コーヒーをおいしくするスパイスだよね。

Profile

ダイアモンド☆ユカイロックシンガー

1962年東京都生まれ。
1986年、伝説のロックバンド「RED WARRIORS」のボーカルとしてメジャーデビュー。人気絶頂期の1989年わずか3年の活動で西武球場、日本武道館公演を最後に解散。その後、「ダイアモンド☆ユカイ」として、ソロ活動を開始する。現在は音楽活動を中心に舞台・映画・バラエティー番組に出演するなど幅広く活動する。
2016年には、ミュージカル「ミス・サイゴン」にエンジニア役で出演し帝国劇場のセンターに立つ。私生活では47歳にして自身の男性不妊を乗り越え長女を授かる。
2011年に自身の不妊治療と夫婦の愛と葛藤の日々を綴った「タネナシ。」を発刊し大きな反響を呼んだ。
現在1女2男の父親。2018年「ベストファザーイエローリボン賞」受賞