ドリップの職人技に感動
最初に家でコーヒーを飲み始めたころはもちろん、インスタントコーヒーだったね。北海道の寒いところで育ったので、あったかい牛乳にコーヒーと砂糖を入れて飲んだ。あれはあれでおいしかったな。 20代になって喫茶店のコーヒーに魅せられて、好きな店を探し歩くようになった。ただ、そのころはいれ方が大事。こだわっている喫茶店で見ていたのでカウンターが気になる。すごーく細く糸のように。あれを家でもやりたいのだけれど、ようするにお湯を入れるポットの口が細くないと、うまくいかない。それをやかんでやろうとしてこのへんがダボダボになっちゃう。うまくいかなくて印象悪くなった。でもやっぱり、ドリップの職人技に見てくれも含めて憧れがあったよね。そのうちに家にもドリップコーヒーが入ってきて使い始めた。レギュラーコーヒーっておいしいなと。最初はネルで、後片づけとかがたいへんだったけれど、紙が登場したときは画期的だと思ったね。
エスプレッソとの出会い
20年ほど前、初めてヴェネツィアに行ったときに飲んだエスプレッソの感動が忘れられない。立って飲む、カップが小さい、すごく濃いのに、何でこんなに香ばしい匂いがするのだろう…良い豆を選び、最高の状態で抽出して飲ましてくれるバリスタの仕事に感動した。 当時の日本にはエスプレッソが飲めるところがあまりなく、かといって家でいれるのはたいへん。結果ハレの日のものになっていた。その点、このマシンは豆と水をいれてボタンを押すだけ。自分でいれるテクニックの差がそのまま味に反映されるけど、高いレベルの味が毎回同じように飲めるのは幸せだね。
ユーラのデザインは画期的
自分のスペースに置くのだから、デザインが良いか悪いかも大切。ENAはシンプルさがすばらしい。インテリアとか、自分がつくりたい空間を邪魔しない。部屋でもキッチンでも、主張せず、ちょっと控えめにしているところが逆に良い。まわりを活かす、画期的なデザインだと思う。しかも、このサイズのなかにグラインダーや加圧ポンプ、給水タンクなどがプロ仕様のスペックで収まっているのは驚異。スイスのプロダクトデザインを感じるね。