進化系オフィスのセカンドプレイスに豊かなコーヒーの時間を

2020年6月、大手町にオープンした複合施設「Otemachi One」に、スペシャルティコーヒーのパイオニア堀口珈琲が、初めてのテイクアウト専門業態店舗をオープンしました。

高い天井と広い窓から差し込む光の変化と、皇居の緑のざわめきを感じられる開放的な１階エントランスに浮かび上がる瀟洒なしつらえ。施設内にレイアウトされた誰もがくつろげるフレキシブルスペースや、今後オープンするエリア最大級の「Otemachi One Garden」など、施設のさまざまな場所で、堀口珈琲のおいしいコーヒーで、豊かな時間を楽しむことが出来るのです。
新型コロナウィルスの影響で１ヶ月遅れの開業となりましたが、ニューノーマルに対応する進化系オフィスだけに、すでに、たくさんの方々が訪れ、新しいコーヒーの楽しみ方を見つけています。
自慢のコーヒーメニューはCurtis社のドリップマシン“SERAPHIM（セラフィム）”で、一杯ずつ提供されます。
今日は、店長の小川さんに「堀口珈琲　Otemachi One店」の今日まで、そして明日からについて、お話をお聞きしました。

「堀口珈琲の味」を再現するセラフィムの魔法

やっぱり堀口珈琲はバリスタによるドリップのイメージが強いので、マシンを使う場合は、それに負けないように、堀口珈琲の魅力を完璧に再現できなければなりません。バリスタによるドリップは一回に注ぐ湯量がかなり少なく、注ぎも繊細なので、果たしてマシンで再現できるのかという不安がありました。ただ、コンセプトとシステムを聞き、最小限のお湯の量が10ml～15mlくらいで、注ぎ方も細かくプログラミングできるので、最終的にはかなり再現度の高い味になりました。それに、何しろオシャレ。まずこのスタイルに興味を持っていただくお客様も多いです。もう一つのメリットとして、人の手を預けていなくても抽出できるので、お客様との会話の方に集中できるということですね。

セラフィムの独特のフォルムは、美しい店舗デザインと一体化し、圧倒的な存在感を放っています。大きく高い窓に囲まれた、上質なエントランス空間を遮ることなく高級感を醸し出す店舗のしつらえの一部としての品のある存在感。この店舗は、堀口珈琲横浜ロースタリーの設計もしている気鋭の建築家、高塚章夫氏によるもので「堀口珈琲が本物志向であるように、店舗のデザインも、他のコーヒー店との違いを一目見てわかるような作りにしたい。」というコンセプトでつくられました。カウンター前面には、表情が豊かで、コーヒーの生豆の雰囲気に似ている「大谷石」を、壁面には、黄金の輝きを柔らかく放つ「真鍮の壁」を。上質な素材を限定して用いることで、素材が元来持つ豊かな表情や品格を引き出したデザインを演出しています。

動き出したオフィスワークとコーヒーの未来形

フロア内には、自由につかえるテーブルや椅子がレイアウトされ、思い思いのコーヒータイムを楽しめます。
ランチの後にコーヒーを一杯、前のベンチに座ってゆっくりしていかれる方が多いですね。もちろん、モーニングやディナータイムの後の時間を過ごされる方もいらっしゃいます。フードは焼き菓子を数種類、マフィンやスコーン、さらにはシリアルバーなどを千歳烏山の「パティスリーユウササゲ」さんにお願いして作っていただいています。あとは、オフィス街なので、クイックなコーヒーの需要もあります。時間限定ですが、そちらはCurtisのG4を使用しています。基本的にゆっくり楽しまれることができるのであればセラフィムをオススメしています。
すでに、未来の形はコーヒーの香りを帯びて動きはじめているようです。最後に、これからの堀口珈琲がめざすものをお聞きしました。

コーヒーの楽しみ方は色々あるということを伝えていきたいですね。それは豆選びなのか、飲み方なのか、対話なのか。あとは、今年創業30周年なのですが、5月に三鷹下連雀に新店舗をオープンしました。その店はマンションの一階に入っており、住んでいる方の暮らしに特化した店舗です。逆にOtemachi One店はオフィスワーカーの方々向け。一見異なるようですが、そのどちらも、根底には暮らしをコーヒーで少しでも豊かにしてほしいという想いがあります。そして、それこそが、堀口珈琲のめざしているものだと思います。

おいしいコーヒーを求める人たちに寄り添う案内者として、スペシャルティコーヒー業界をリードし続ける堀口珈琲の挑戦は続きます。